つばさホールディングス株式会社(以下、つばさホールディングス)は、2023年9月に石川県能美市にある折戸運送有限会社(以下、折戸運送)の株式を取得しました。現在管理部にて勤務する長島さんは、能登半島地震直後の2024年1月初旬よりグループ経営基盤の確立・強化を図るべく指名を受けて異動。住まいを移し事業拡大に尽力しています。複数の経歴をもつ長島さんに、現職につくまでの経緯と、折戸運送で大切にしていることについて聞きました。
人の縁を大切に、業界にこだわらず職場を楽しくする
─長島さんは物流業界の仕事一筋だったんでしょうか?
物流業界に入って17年経ちますが、それ以前は上場企業から出向指示を受けて、いろいろな店舗の経営に携わっていました。小売業やサービス業、喫茶店やカラオケ屋、本屋の社長も経験しました。店の経営が落ち着くと次の職場に異動になるといった形でした。当時を振り返れば名ばかりの社長だったかも知れませんが(笑)、現場でのコミュニケーション能力は高かったと思います。
─社長業から一転、どうして転職活動をすることになったのでしょうか?
上場企業との連鎖倒産の影響で従業員の解雇を決断する場面があり、回避することが叶わず力不足や役不足を痛感しました。選択肢の一つとして同業種で起業し再起を図ることも可能だったと思いますが、中途半端な知識や過去の成功体験による驕りから同様の失敗を繰り返したくない気持ちが強く、会社を持つのではなく一社員として経営者を下支えする人材になりたいと思ったからです。
─その後、物流業界に関わることになったんですね。
異なる業界8社への就職活動をしていた中で、入社したいという思いに強く惹かれた会社だったんです。引越会社のアクティブ感動引越センターが、小学生のお子さんの引越しへの不安を少しでも軽くしようと自社制作した、親と子の「引越し・転校」の不安解消マガジン『あっくん』に心をつかまれまして!引越し作業のことだけでなく、お客様の不安に寄り添う姿勢が素晴らしいと思いました。

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引越しは未経験だったものの、人が暮らしていく中で必要な職業ですし、人の役に立てる仕事だと、2008年に入社をしました。
2019年にはつばさホールディングスの関連会社となり、アクティブ感動引越センターからつばさロジスティクス株式会社(以下、つばさロジスティクス)へ異動になりました。つばさロジスティクスはいくつもの運送会社が集まり母体を大きくしてきた物流会社です。現在は本社を含め多摩地域に4拠点をおき、関東圏の食品輸送、精密機器輸送を担っています。そこでは拠点長や本社での事業推進など多岐にわたって経験をさせていただき、現在の原動力となっています。
─物流業界でも何社か経験されているんですね。
現在は石川県能美市の折戸運送有限会社にいます。2023年につばさホールディングスが株式取得をしてグループインした運送会社です。
僕自身はこの仕事じゃないと嫌だとか、この担当じゃないと嫌だっていうのはありません。人との縁を大切にして、与えられた場所で一生懸命楽しい職場にする、そのための成果をだすことに集中します。

縁の下の力持ちでドライバーのモチベーション向上に貢献

─同じ職場で働く田中さん、長島さんの職場での印象を教えてください。
一言で言うなら、縁の下の力持ちっていう言葉がぴったりです。脇役に徹しているけど長島さん抜きには今の折戸運送は成立しません。どうやったら業務が効率よくできるかを徹底的に考えています。仕事をするドライバーの一つひとつの動作を一緒に確認して、その後長島さん自身が同じ仕事をやってみる。道具の取り扱い一つにも、どの動作や順番が一番良いかを考えて実践してくれます。事務所の机にでんと座っている印象はあまりないなあ(笑)。
─業務の効率化は成果が出ていますか?
はい。細かい業務の見直しで、時間短縮になった作業は複数あります。効率が良くなると仕事に対して落ち着いて取り組め、事故を未然に防ぐ効果にもなっていると感じています。
仕事のやり方を変える時に言い方によっては反発や不信感につながることもあります。しかし長島さんは相手を否定することはなく、肯定しながらより良い方法を一緒に作っていく姿勢なので、衝突がありません。冷静な中に熱い情熱をもって働いている人です。
M&A後の統合プロセスPMIは意識統合が大切
─株式取得4ヶ月後に長島さんが入社していますが、統合プロセスであるPMIで大切にしていたことはなんですか?
M&A直後から担当した者が今も定期的に本社から訪れます。特に意識統合は複数人で丁寧に行っています。
M&Aを受けた従業員にとっては、大きく環境が変わるし不安の方が大きいですよね。でも財務経理などガバナンス面はホールディングスが担い、運送業務に集中できるなどメリットも多いので、「グループの一員になって良かった」と思ってもらえるための心理的安全性を高めることを大事にしています。
会社で働く人が色々な意見をもっているのは当たり前。会社として一緒の目的を共有していれば、対話を通してより強いチームに育っていくと思っています。

物流業界に抱く世間のイメージは?
─トラックドライバーに対する世間のイメージをどのように思いますか?
運送業やトラックドライバーという言葉自体の世間からのイメージは、まだまだ良くないなと感じています。ライフワークバランスについて僕は総合職と大きく変わりはないと思うんです。働き方改革で残業時間は少なく休日日数は法定順守を求められますし。そしてトラックドライバーは真面目で、責任感が強い人でないと務まりません。
それでも、新型コロナウィルス感染拡大の2020年以降は少し変わりましたね。トラックドライバーは「エッセンシャルワーカー」と呼ばれ社会のインフラを支える職業だとメディアが報道しました。
実際「物を運ぶ大切さに気づいた」と、大学卒業後につばさホールディングスに就職した人もいます。毎日適度な緊張感の中で運転しながら消費者に物を届けている誇らしい仕事だということをもっと浸透させたいです。

─昨年は若い世代との接点が増えたと伺いましたが?
昨年は複数の大学で、つばさホールディングスの役員や社員が「物流の2024年問題」について登壇しました。2月には、佐賀県から高校生がつばさロジスティクスに視察に来るなど、若い世代の興味は高まっているように思います。
折戸運送でも若い世代へ業界の魅力を届けたいと思っています。地域貢献活動として、中学2年生の職場体験受入や中学校・高校の吹奏楽部の楽器運搬を担うなど、地域密着の活動も大事にしています。
─若い世代から見たトラックドライバーのイメージはいかがですか?
トラックドライバーに抱く3K(きつい、汚い、危険)のイメージは、ひと昔前かも知れません。若い世代はその言葉を知らない人も多い。SNSの普及もあり”運ちゃん”からの脱却は進んできているように感じています。
技術の進歩で力仕事も減ってきており年配者や女性の方でも取り組めるようになってきていることも好印象だと思います。ライフワークバランス面を協調していけばより良いイメージに繋がっていくと思います。ただ、そもそも免許を取得してマイカーを保有することへのステータスを感じている若者が時代と共に減ってきていますので作業技術支援に加え免許取得支援も行いながら育成していく必要性を感じています。
─グループに物流だけでなく食品リパックの会社や車両整備、ホールディングスと複数の事業があるのも魅力ですね。
つばさホールディングスグループには「ジョブローテーション」という考え方があるので、様々な部署を経験することが可能です。特に新卒社員は数年ごとのジョブローテーションで幅広いスキルを身につけています。
─イメージ向上という意味では感動物語コンテストへのエントリーもありましたね。企業の魅力を10分の動画製作を通して伝えるコンテストでしたが、参加した感想はいかがでしたか?
動画の主人公になった社員の愛宕さんは高校では吹奏楽部で、折戸運送の楽器運搬をきっかけに入社を決めてくれました。折戸運送のプロ意識に触れて感動してくれたわけですが、今は本人が高校生の楽器運搬を支援している。両側面を経験した彼の心情がもととなった素敵なストーリーを届けられたと思います。

─物流業界でモチベーションを保つマインドを教えてください。
物流はトラックを使ってただ物を運んでいるだけではない。荷物を預けてくれる方、荷物を受け取る方への想いをつないでいる。そう思って仕事をしていると私たちもやりがいになるし楽しい。同じトラックでも、運転するドライバーの意識によって本当に違うんです。相手のことを気遣い、対話を忘れないこと。感謝を伝えること。が自然とできる会社になるよう支えたいですね。
一人ひとりの小さな意識の積み重ねが業務へのモチベーションも高めてくれます。

アクティブ感動引越センター
https://kandou.jp/
つばさロジスティクス
https://tsubasa-logistics.co.jp/