物流業界の多くの企業では、女性トラックドライバーが活躍するようになリました。しかし、まだまだ男性トラックドライバーの割合が高いのが現状です。
立川市に本社を置くつばさロジスティクス株式会社(以下、つばさロジスティクス)では、業界平均3.6%を超えた7.9%、17名の女性トラックドライバーが働いています。
この記事では、実際に働く女性トラックドライバーの声を元に、選ばれる業界になるためのキーワードを、統計も交えながら考察していきます。
入社のきっかけ、トラックドライバー職を選んだ理由は?
STORY1
2024年9月に入社した川尻さんは、元々事務職をしていましたがドライバーになりたくて転職しました。
現在はつばさロジスティクスで、4tトラックで食品輸送を担当している川尻さん。前職は個人事業主として軽トラックでのBtoC配送をしていました。つばさロジスティクスへの転職のきっかけは安定した収入とワークライフバランスでした。燃料高騰や勤務時間の管理が難しかった、と言います。
「運転が好きで、中型免許を持っているのでもっと大きな車両を運転したかったこともあります」
転職活動では、ドライバー専門の求人サイトに登録して招待メールがきた会社の情報収集をしたそうです。
●川尻さんのある1日の流れ 16:30 出庫 → 昭島 集荷センターA 荷積み → スーパーB 仕分けと荷下ろし → 昭島 集荷センターA 荷積み → スーパーC 荷下ろし 2:30 帰庫 トラックを別のドライバーに引き継ぎ |
つばさロジスティクスを選んだのは、ホームページで「安全第一」を掲げていたことと、路上でトラックとすれ違った時、「車体がきれいだな」と良い印象をもっていたことでした。自分の希望する午後からのシフト募集があり、応募して入社に至りました。
STORY2
石居さんは2024年1月入社。20代で大型免許を取得。中距離の中型、大型トラックドライバーを数年経験しました。
出産を機に仕事から離れましたが、育児が落ち着いたタイミングでトラックドライバーとして復職しています。
その後は一転リラクゼーション業界に転職、マッサージ師として活躍した時期がありました。やりがいのある仕事でしたが安定収入ではなかったため再び運送会社へ。
●石居さんのある1日の流れ 14:00 出庫 → 朝霞 集荷センターAで荷物をカゴ車に積みつけ、荷台に乗せる → LD三芳センターB 荷下ろし 他社のドライバーと協力して折コンに貼られた店番ごとに仕分けをする → 昭島 集荷センターC バットを荷積み → 新座 D 荷下ろし → 昭島 集荷センターC 次の日使うバットを返却 2:00 帰庫 |
転職しようと思った石居さんは、つばさロジスティクスの企業サイトに行き、求人情報を確認して応募しました。以前からつばさロジスティクスのトラックの清潔さや企業ロゴが好きで、転職するならココ!と決めていたそうです。
「運送業界なのに可愛いロゴデザインだなと気になっていました。真っ白いトラックだから、安全も大切にしているんだろうな、という印象をもっていました」と話しました。
石居さんのお父さんは建設業で職人をしていたため、仕事で使う小さいトラックを、家族の生活でも身近に使っていました。トラックに乗っていると安心する気持ちになるそうです。
国が乗り出す女性トラックドライバー促進プロジェクト
トラックドライバーに女性が少ないのは何故でしょうか?
実際に男女比率を見てみると2024年の国内トラックドライバー86万人のうち、女性は3.6%の約3万人です。
出典:総務省「労働力調査」
グラフで表すと、とても少ないですね! しかし、総務省の統計では10年前は2.2%でしたので、約1万人増加している状況です。運送会社で言われる3K「きつい、汚い、危険」は、過去のイメージだと言う業界関係者も少なくありません。
これは、2015年に開始した国の施策「トラガール促進プロジェクト」が大きく影響しています。国土交通省は活躍する女性トラックドライバーを広く社会に発信し、業界のイメージ改革を図りました。
現在、物流業界では2024年問題で叫ばれるドライバーの労働時間規制や、人口減少による「なり手不足」が深刻な状況です。
日本の輸送能力は2030年には全国平均で34.1%不足する、と予測されています。
トラックドライバー職は、「当たり前に物が届く社会」の実現を担う、誇りある仕事です。女性や小柄な人でも肉体的に負荷の少ない職場改善の取り組みは全国で広がっています。業界全体のイメージアップに、企業だけでなく国も一役かっているのです。
女性活躍に多くの選択肢を
女性が社会で活躍するための環境や課題を統計を元にみてみましょう。
女性の就業意欲をそぐ理由の一つに「103万円の壁」があります。103万円の壁とは、働いた賃金に所得税が加算されるボーダーラインの年収額を示しています。扶養に入っている人は扶養からはずれ、扶養者の所得税や住民税が増える額でもあります。もっと働く意欲があっても手取りが減る「年収103万円」を超えないように時間を調整する方は多いのではないでしょうか?
昨今、食品や暮らしに関する物価高や、経済的な不安を皆さんも感じているでしょうか?
マイナビの2024年調査によると、アルバイト・パートで働く主婦で経済的なゆとりがない割合は61.5%にのぼっています。そして、アルバイト・パートの女性のうち、希望する働き方が実現できたら正社員として働きたい主婦は70%を超えています。
別の統計を見てみましょう。内閣府の調査報告では、女性の求職していない理由として最も多いのが「適当な仕事がありそうにない」(34.5%)となっています。
引用元:内閣府経済社会総合研究所
内閣府経済社会総合研究所による女性の就業希望者は推定171万人。マイナビの調査を合わせると、約121万人の女性が「適職があれば正社員を希望する」と想定できます。
「自分に合った仕事が見つかり」さらに、「年収103万円の壁の見直し」もされると、社会で活躍する女性は今より増えていくかもしれません。
私たちは、トラックドライバー職の魅力や働きやすい職場環境を知ってもらうことで、女性を含めたトラックドライバー数を増やし、「当たり前に物が届く社会」の実現を一緒につくりたいと考えています。
多くの方に職業として選択していただくために、つばさロジスティクスでは2023年から免許取得制度を導入。トラックに乗るのに必要な免許取得にかかる費用を全額会社が負担して、未経験の方も積極的に採用しています。
2023年には高卒で免許をもっていない状態から入社をし、社会人としての基本マナーも含め一から育成をしました。今では準中型免許を取得して、プロのトラックドライバーとして食品輸送の大きな担い手になっています。また、リファラル採用制度を利用して友達を紹介いただき、入社につながっています。
→リファラル採用の事例記事はこちら!
国土交通省が提唱するオススメ施策とは?
「トラガール促進プロジェクト」の公式サイトでは、女性の就職率や定着率を高めるオススメの施策を紹介しています。つばさロジスティクスの取り組みを照らし合わせてみましょう。
運転のしやすさ、安全装備の充実で「安心感」を向上
・マニュアルシフトからオートマシフトへの切り替え
→マニュアル158台 オートマ3台(2024年12月時点)
・バックモニタやドライブレコーダーなど、運転時の安全面を考慮した装備の充実
→全台にバックモニタ・ドライブレコーダーを装備
・女性専用車両の導入。休憩時に運転席が見えないようにカーテンを装備したり、キャビン内の収納スペースを増設するなどの工夫
→つばさロジスティクスは中距離配送までのため、長期休憩の設備は車両内には設置していない状況です
トラガール同士のコミュニケーションで、働きやすい職場環境作りに
・先輩女性ドライバーが新人トラガールを指導する体制作り
→体制は作っていませんが、女性が指導にあたる場合もあります。男女問わず指導者は、未経験の方でも一人立ちできる丁寧な育成を行っています。
・女性同士が知り合う機会を設ける
→対話集会や安全講習などで顔を合わせる機会を作っています。
コミュニケーションしやすい休憩スペースを整備
・ドライバー同士がコミュニケーションしやすい休憩スペースを設ける
→ドリンクサーバーのある休憩エリアを設置している拠点があります。
新しく入社した社員の言葉を、掲示板を使って紹介する社風があります。
教育と体調管理の徹底で、トラックドライバーを安全・安心な仕事に
・定期的に技術講習会や安全運転への意識を高める研修を行う
→入社者向けの研修は必ず行っています。またヒヤリハット動画や事故リスク回避の情報発信を随時行っています。
・ドライバーの健康管理や、体調管理に留意した労務管理の徹底
→健康診断の実施、メンタルへルスケアを目的とした1on1
・働く人の意見を取り入れる仕組み作り
→経営者との対話集会の開催、エンゲージメントサーベイの実施をしています。
・業務の中での気づきを連絡する、返答する、共有する場作り
→グループLINEを使って業務がスムーズにいくための情報共有を活発に行っています。
一つひとつの施策は、女性のためだけの取り組みではありません。トラックドライバーとして働く全ての人が、安全に長く働ける施策と言えますね。
公益社団法人鉄道貨物協会「令和4(2022)年度本部委員会報告書」の需給予測では、2028年度に28万人近くのドライバーが不足すると試算されています。
日本の運送能力を維持して、物が届かない社会を回避していきたいですね。
安全への意識の高さ
つばさロジスティクスで働く社員の言葉からは、仕事への高い意識を感じます。会社が安全を最優先に考える体制は、トラックドライバーの心理的安全性にもなっているようです。
とにかく事故はおこしたくない。あせるとダメなタイプなので、安全が最優先のつばさロジスティクスの方針は私に合っています
休日が取れて残業が多すぎないことも大切だと思います。ドライバー間でお互いの休日を尊重してサポートし合う雰囲気があるので、仕事に集中できています
担当するルートが自分にとっては難易度が高かったので、運行管理の方に相談して別のルートに変更してもらうこともありました。相談しやすい職場の雰囲気があると思います
つばさロジスティクスには安全品質本部という部署があります。事故防止の取り組みとして洗車の徹底や優秀ドライバーの表彰などを行っています。
マナーのよいドライバーを会社が評価しているところも良いと思います
新しく入社したドライバーさんとはシフトが違うと会えないけど、点呼場に手書きメッセージ入りの自己紹介が掲示されているのでチームメンバーを知ることができます。
グループLINEがあって、そこでは配送先の状況や道路状況など、ドライバー同士で役立つ情報をシェアします。時には行った先で食べたものや景色もシェアしたりと、コミュニケーションの場になっています
つばさロジスティクスの強み
つばさロジスティクスが、トラックドライバーに選ばれる理由はどんなところにあるでしょうか?まとめてみました。
■チームビルディング
ドライバー同士のチーム力が高い
運行管理とドライバー間の報連相や雑談をする機会を設けている
対話集会で経営者と直接意見を交わす機会を設けている
■待遇面
一定額の安定給与があり歩合制の職業よりも安心感がある
シフトや休日の希望を前向きに検討してくれる
リファラル採用で知人が増えたり紹介料を受け取れる
■安全面
働きやすい職場認証
Gマーク取得
社内表彰制度(無事故運転ドライバー表彰など)
トラックが白い(安全意識の高さにつながっています)
ウェルビーイング室の設置(メンタルケアを含む1on1実施など)
安全はすべてに優先される!ドライバーが安心して働ける環境に
トラックドライバーは、社会のインフラを支える誇り高い職業です。また、日本の物流サプライチェーンは世界にも誇れる保管品質と運送能力をもっています。
つばさロジスティクスでは今後も、国の施策にも連動しながらドライバーが働きやすい職場環境づくりに力を入れていきます。
少しでも興味をもっていただけたら、つばさロジスティクスのカジュアル面談にぜひご参加ください。
採用担当が職場見学のご案内や会社説明を行っています!
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