私たちつばさホールディングスグループでは、物流※における6つの機能をもっています。実際に昨年から始まった働き方改革法案で、現場でどのような影響が起きているか、現場を担う3つの視点を3回シリーズで配信します。
※物流とは…製品やサービスを生産する場所からお客様に届けるための、物品や情報の流れを管理する一連の流れのことを差します。

働き方改革が「問題」と言われるのはなぜ?
2024年4月からドライバーの労働時間に上限が設けられました。これまで制限がなかった時間外労働、いわゆる残業を年間960時間、月平均80時間までと定めています。また昨年2023年4月からは、中小企業でも月60時間を超える時間外労働に対して50%以上の割増賃金の支払いが求められるようになりました。
労働環境の質の向上と生産性の向上を目指す働き方改革にも関わらず、物流・運送業界で「2024年問題」視されるのはなぜでしょうか?
働き方改革として、ドライバーが健康で働きやすい環境になる点に問題があるわけではなく、私たちが携わる業界が抱える構造の複雑さ、インフラ整備、消費者意識の変化が追いつかず、ドライバー不足が発生し「問題化」しているのです。
ドライバー不足の原因は法改正だけとは言えません。退職するドライバーの中には、残業時間の規制で収入が減ることが起因の方も実際にいます。他にも時代に合わせて物流量が増加していることや、親の介護やご本人が高齢のための離職など、少子高齢化の背景も抱えています。そこに今回の法改正が重なって、いよいよこれまでと同じ物流サービス提供を維持するのが困難になってきたという状況です。
1.ロジスティクス事業 経営戦略の視点
全体の残業量を月60時間にすることは不可能ではありません。しかし実際の現場は日々の仕事をやり切ることで精一杯で、対策が打ち切れていないのが実状です。
つばさロジスティクスでは昨年から、年間の残業時間規制に対応できる勤怠システムに入れ替えました。時間外労働の賃金値上げに沿って適正賃金をお支払いすると、物流量は増えても業績が比例しないので、荷主様への運賃値上げ交渉や運送業務の効率化など、法改正を起点に対策を講じています。ドライバー不足の根本的な解決には、多方面の理解や協力が中長期的に必要になってきます。
1989年の貨物自動車運送事業法施行により、トラック運送事業が許可制に規制緩和された時代は、「需要<供給」の構造でしたが、2024年問題に象徴される法改正や少子高齢化を契機に変化しています。
そのため近年は多くの荷主様が運賃値上げ交渉に応じてくれたり、交通事情で変わる荷受け時間に配慮いただいたりなど、「お客様に商品を届ける」という共通の目的をもった協力関係が作りやすくなったと感じています。
また大きな車体を動かして物を運ぶ私たちは、「安全が最優先」であることも忘れてはいけません。荷主様の要請や売上を優先して無理に請け負うことは避けていく必要があります。
チーム力とやりがいを重視
採用面でも苦労はありますが、ドライバーは学歴よりもルールを守る真面目さや、責任感の強さが必要とされる職業です。発信方法や採用手法を工夫して若手ドライバー採用に力を入れています。
具体的には10-20代向けのTiktokや、ファン層を獲得しやすいInstagramに力を入れて、ターゲット層に有効な媒体を軽視しないこと。また社員からドライバー人材を紹介してもらうリファラル採用や、育成制度で免許取得を支援する未経験入社など、さまざまな試みで成果を出しています。
3年前から行っているリファラル採用では、毎年約10名、累計28名のドライバーが紹介による入社をしています。昨年はリファラルで高卒生が1名入社し、入社後に中型免許取得をサポートしました。現在はEVトラックで近距離配送を担っています。今年は本人からのリファラル採用による新たな入社も実現しています。

トラックドライバーは私たちが生活をする上で必要不可欠な誇り高い職業です。重要なインフラを下支えする役割として、社会的により認知されることにも力を入れていきたいと思います。
トラックドライバー採用強化中。高卒から、未経験者育成に力を入れています
https://www.recruit.tsubasa-logistics.co.jp/
つばさロジスティクス
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