ピンクのシャツにボルドーのネクタイ。手にはリラックマのスマホケース。親しみやすい笑顔と関西弁で話す、つばさホールディングス株式会社(以下、つばさホールディングス)グループIT推進室ゼネラルマネージャーの澁谷豪彦さん。初対面でも印象に残る姿をセルフプロデュースして、「ITのガイドさん」としてDX化に向けた取り組みを牽引しています。
IT業界には1996年から携わり、2011年からは大手総合商社で100社以上のグループ会社のIT支援を行ってきました。つばさホールディングス代表の猪股さんから、物流業界の抱える2024年問題※について聞き、目前の課題解決には外部からではなく、社内に専門部署を設けて現場目線でIT支援をすることが、最もお役立ちになると考えたそうです。2022年3月からグループIT推進室(以下、IT推進室)ゼネラルマネージャーとして着任。忙しい日々を過ごしています。
※物流業界の2024年問題…物流業界の抱える働き方改革関連法による諸問題のこと。2024年4月に「自動車運転の業務」に対して、時間外労働時間の年間960時間の上限規制が適用される。
物流業界の危機をIT化で回避する
IT推進室の担う役割は3つ。まず理解深耕のための「ITガイド」を担います。
紙で行われるアナログな作業をデジタル化し自動化・効率化を進め(デジタイゼーション)、そのデータを活用すること(デジタライゼージョン)、物流業界のビジネスモデルの変革(デジタルトランスフォーメーション)で2024問題の解決を図るまでを、 IT推進室の目標としています。
次に従業員への「ITリテラシー教育」が必須となってきます。
ITと聞くとハードルが高いイメージがあると思いますが、聞き慣れないIT用語は分かりやすく例えれば、理解できるものばかりです。まずは私たちがつばさホールディングスとグループ会社のIT化を世間の当たり前のレベルにする。と同時に、各社にIT化を牽引する人財(エバンジェリスト)を育て、会社ごとにITリテラシーを底上げしていきます。
最後に生産性向上のための「IT化支援」です。
人にしか担えない業務に集中してもらうことは、今の社会では求められています。
紙で管理していた従業員情報や勤怠表、経理書類など、人の手作業で行われている繰り返し業務の多くは半自動化、自動化することができます。つばさホールディングスが持続可能な中小企業の集合体として発展していくには、景気の動向や大企業の方針に柔軟に対応できる「IT化」が早急に必要です。その先に「DX化」を進めていくと、2024年問題の課題解決の1つにつながり、新しいビジネスモデルとして社会に影響を与えることができると信じます。
当初は2023年9月までに描いていたDX化ですが、新型コロナ、そしてロシア・ウクライナ戦争によって一年前倒しする必要が出てきました。DX時代を追いかけるだけの存在にならないために、この一年の差は大きいのです。
ちゃんと「やりきる」ことのすばらしさ
つばさホールディングスの行動原則に「日本一のABCを築き上げる」という言葉があります。「ABC」とは「当たり前のことを 馬鹿みたいに ちゃんとやりきる」の意味。「やる」のではなく「やりきる」という表現に共感しています。参画後すぐに行ったのはグループ会社訪問です。
「グループ会社へのIT調査は、つばさホールディングスのIT担当として、私という人間を知ってもらうことが第一でした。遠隔でIT化を進めても不信感しか持ってもらえませんから」。仕事のがんばりを正当に評価してもらえる環境整備を「全力でちゃんとやりきりたい」と澁谷さんは熱を込めて語ります。つばさホールディングスの象徴理念にある「日本一現場を活性化させる支援部隊」として、現場に寄り添う目線でITの「困っています」を解決しようとする日々です。
自分が好きな自分でいることが「自分らしさ」
澁谷さんご自身が大切にしている座右の銘は「爾今生涯(じこんしょうがい)」。漫画『サラリーマン金太郎』の中で使われたセリフで、忘れられない言葉だそうです。人の一生は、いつでも「たった今」から始まるという意味で、いつも「自分らしさ」を追究する姿勢をもてるのだとか。プライベートでは、夜学であんまマッサージ指圧師の国家資格取得を目指し鋭意勉強中です。「デスクワークの身体の疲れや痛みも取ってくれるITガイドって、おもしろくないですか?」澁谷さんのセルフプロデュース力も、未来に向かって磨かれていきます。
澁谷豪彦(しぶや ひでひこ)プロフィール
つばさホールディングス株式会社 グループIT推進室 ゼネラルマネージャー
最終学歴 同志社大学 文学部 社会学科 産業関係学専攻
1991年住友商事株式会社入社。1996年からIT部署に携わり2011年から100社以上のグループ会社のIT支援に尽力。
つばさホールディングス株式会社
https://tsubasa-holdings.co.jp/