「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)」の実現を目指し、2001年にNPO法人テラ・ルネッサンスを創設した鬼丸昌也氏は当時大学生。立命館大学法学部在学4年生の時に初めて訪れたカンボジアで、地雷原を訪問したことがきっかけとなり地雷除去支援や元子ども兵の自立支援など、平和に向かう支援活動を同法人を通して20年以上続けています。「すべては『自分に何ができるのか?』という『問い』から始まりました。その『問い』への『答え』を積み重ねた結果が、今のテラ・ルネッサンスです」と語る鬼丸氏。現在、支援者数は2,610人、263社。日本人職員と現地人スタッフ100人と共に支援範囲を広げています。

海外での支援から始まったテラ・ルネッサンスの活動の中で、鬼丸氏の国内での活動を紹介します。
東日本大震災をきっかけにうまれた「大槌刺し子」

2011年3月11日におこった東日本大震災では、被災した岩手県大槌町への復興支援を同年6月から始めます。町の女性たちを中心に日本の伝統手芸である「刺し子」ブランドを立ち上げました。
寒い地域で栽培がしにくい綿が貴重品とされた東北地方では、保温や補強のために刺し子の技術が江戸時代から発展しています。大槌町の女性たちも刺し子に親しんでいました。針と糸と縫う布があれば製作できる刺し子商品を「大槌刺し子」としてブランド化しイベントやECサイトを中心に販売したところ、支援目的だけでなく優れたデザインやエシカル消費を好む層を中心に支持されていきました。2013年から無印良品で大槌刺し子を施したコラボ商品を販売し、現在も続いています。活動を開始して10年で売上は1億円を超えました。
鬼丸氏は「自然災害による支援には多くの資金がかかり決断が必要。テラ・ルネッサンスの途上国への持続的な活動をするために、支援に踏み出すか否か正直迷いました。そんな時ウガンダからかかってきた一本の電話が私を決断させてくれたんです」と当時を振り返りました。
電話はウガンダから、集めた支援金を送るというものでした。平均月収が3000〜7000円の彼らが送金してくれたのは5万円。「それで、あなたは何をするの?」と問われた鬼丸氏は支援を決めたといいます。震災から間もない復興プロジェクトの立ち上げにメディアからも注目されました。
現在「大槌刺し子」は、寄付つき商品の制作などを通じて、熊本豪雨やウクライナ戦争など救済が必要な地域への支援も積極的に進めています。
→大槌刺し子の詳しいSTORYはこちら(外部サイト)
https://spaceshipearth.jp/sashiko/
鬼丸昌也(おにまるまさや)プロフィール
認定NPO法人テラ・ルネッサンス理事・創設者
つばさホールディングス 顧問
1979年、福岡県生まれ。立命館大学法学部卒。高校在学中にアリヤラトネ博士(サルボダヤ運動創始者/スリランカ)と出逢い、『すべての人に未来をつくりだす能力がある』と教えられる。
2001年、初めてカンボジアを訪れ、地雷被害の現状を知り「すべての活動はまず『伝える』ことから」と講演活動を始める。同年10月、大学在学中に「すべての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざす「NPO法人テラ・ルネッサンス」設立。
2002年(社)日本青年会議所人間力大賞受賞
2021年 学校法人東明館高等学校(佐賀県)と包括連携協定を締結
2023年 つばさホールディングス株式会社 顧問就任
