つばさホールディングス株式会社(以下、つばさホールディングス)で2021年12月に新たに発足した「経営戦略室(現:経営戦略本部)」。その中心を担う平田寿樹さんに、組織の中での役割とご自身が資格をお持ちの中小企業診断士についてお聞きしました。
中小企業診断士は伴走者

事業計画を作るといっても私が実行するわけではないので、当事者の意志の入ったプラン作りをお手伝いすることに徹します。課題や新規事業の内容を聞き、具体的にどんな補助金・助成金が使えるのか、経営を改善しキャッシュを確保するまでの伴走者だと思っています。
また今は後継者不足とコロナによる企業倒産の加速で、企業再生やM&Aに対するイメージは肯定的になってきました。転換期だと思います。今後はM&A推進を通してシナジーが生まれる事業承継を創り出し、社会課題に貢献していきたいです。
理念を土台にした戦略は強い
つばさホールディングスの魅力はグループ理念と従業員全員が持つ「つばさレシピ」の存在です。年商数十億規模の中小企業で先々の規模を見据えた羅針盤があり、戦略だけでなく理念浸透に力を入れている企業はわずかだと思います。
経営難は乗り越えらえる
私が社会人20年目をむかえた頃、父が経営していた建築会社が倒産しました。息子として何も手助けができずショックでした。中小企業診断士になったのはその時のくやしさが原動力となっています。会社が倒産しないよう利益を上げるにはどうしたらよいか、事業承継や、残念ながら倒産となった時の従業員の退職サポートなどに力を注ぐようになりました。
経営難は適切なタイミングで知見を集めれば乗り越えられると、今は思っています。
もうける主義でなく、社会貢献がカギに

つばさホールディングスとして物流業界で叫ばれる2024年問題※への対策は欠かせません。しかし業界で対策に着手している企業は多くないのが現状です。
食品輸送、精密機器輸送を担うグループ会社のつばさロジスティクスでは、私が参画する以前から、トラック美化やユニフォームの改善などハード面で、業界のイメージアップに取り組んでいました。
ソフト面ではIT推進部が構築を急ぐ物流システムを、いざ問題に直面して困った物流関連の中小企業に、つばさホールディングスが提供できることを想定しています。高額にしてもうけようという気持ちではなく、私たちの生活を支える重要な基幹産業が損なわれないよう、社会貢献の気持ちを忘れずに準備しています。
※物流業界の2024年問題…物流業界の抱える働き方改革関連法による諸問題のこと。2024年4月に「自動車運転の業務」に対して、時間外労働時間の年間960時間の上限規制が適用される。
若い世代に活躍の場を
今年は7名の新卒が入社してきました。世間一般では若い起業家精神のある人は少なく、個人の力で企業を作るのは難しい。しかしつばさホールディングスは新卒採用のテーマを「リーダー人財育成」「幹部候補生」と掲げているので高い意識の学生が集まってきます。彼らが30歳までに経験を重ね、経営者となれば倒産せざるをえない企業では引く手あまたになるでしょう。「社会に100のなくてはならない事業と100人のかっこいい社長を生み出す」という猪股代表の言葉の実現に近づいています。
平田寿樹(ひらたとしき)プロフィール
つばさホールディングス株式会社
モビリティ事業統括本部 取締役 統括本部長
経営戦略本部 取締役 本部長
経済産業大臣登録 中小企業診断士
一般社団法人事業承継協会登録 事業承継士
新潟県出身 ロードバイクやSUPなどアウトドアが休日の楽しみ
1991年 ジャーディン ワインズ &スピリッツ入社。
都内ホテルレスラン営業担当を経てマーケティング部に転属、ウイスキーブランドを担当。
1997年 クアーズ・ジャパン入社。
ビール及び低アルコール飲料市場の新商品の日本市場導入及びOne to Oneマーケティングを担当。
2004年 ハーレーダビッドソン ジャパン入社。
CRMシステム導入、エリアマネジャーの経験後、国内営業責任者としてディーラー網の事業承継、M&Aを推進。
2015年 中小企業診断士登録。
2018年 マクラーレンオートモーティブアジア入社。
国内営業責任者として販売と正規ディーラー網を管理。
2021年 イーストコースト コンサルティング開業。
事業承継士登録。

つばさホールディングス株式会社
https://tsubasa-holdings.co.jp/