つばさホールディングスは2023年、佐賀県の東明館高等学校で認定NPO 法人テラ・ルネッサンスが取り組む「実践的グローバル人財育成事業」に社会貢献・人財育成の一環として支援を行ってきました。授業にも参加し学生と継続的に対話を重ねた1年間の授業プログラムを振り返ります。
イノベーションは対話から生まれる
グローバル人財を育成するという共通の目的をもったテラ・ルネッサンスと佐賀県の東明館高等学校は、共同で授業プログラムの開発・実施を行っています。東明館高等学校では、探求コースの授業プログラムの一環としてテラ・ルネッサンスの職員が授業を行ないました。授業では、リーダーシップ養成講座のほか、社会課題解決講座や海外駐在職員による社会課題解決プログラム、海外スタディーツアー、国内での啓発活動を行ってきました。
この取り組みはアクティブラーニングの手法を取り入れ生徒が能動的に学ぶ授業モデルで、2023年 2 月にはウガンダやカンボジアにおける支援計画の立案と実行に対して「第18回 西日本国際財団アジア未来大賞」に選ばれています。
学生との対話が社員の自己成長に
つばさホールディングスでは「未来のリーダー人財育成」をコンセプトに新卒採用を行ってきました。1期生(21卒)の新納さん、2期(22卒)の永山さん、3期生(23卒)の佐藤さんはその中で入社した新卒社員です。
3名は東明館高校で5回にわたって行われた「リーダーシップ養成講座」にオンラインを通して参加。授業では、4つの要素「ビジョン」「対話」「チーム」「セルフマネジメント」について学び、グループワークを実施。実際に学校にも訪れて、高校生と直接対話を重ね、リーダーシップについて学びを深めました。学生との交流は新たな発見・気づきを得た時間となりました。
「生徒の集中力を高める授業の進め方が勉強 になり、早速会社の会議や会社説明会でも実践している。話している最中に焦ることがなくなり、聞き手の反応も見る余裕が出てきた(新納)」「世界の裏側で起きている紛争も決して他人事 とは思えず、考え続けること、 小さな支援をすることの大切さを知った(佐藤)」「対話では正解を求めるものでなく互いの意見の違いを楽しみ知る姿勢をもつようになり、業務でも対話を丁寧に行うようになりました(永山)」という感想がありました。今回の実践的グローバル人財育成事業への参加を通して得た学びを、業務にも早速活かしています。
一人ひとりが自分で考え行動する未来へ
授業を通して、参加した社員は大きく2つのことを学んだようです。
一つ目は対話の重要性です。今はSNSやインターネットなど、発話を使わない非対面のコミュニケーションが成り立つ社会ですが、講座では対面での対話を重ねながら「リーダーシップって何だろう? 」ということを考えてきました。対話をすることで意見の違いを認め合い、信頼関係を築くことができたと話します。
もう一つは「リーダーシップ」という言葉のもつイメージの変化です。ゼネラルマネージャーや執行役員などの役職をもつ人たちが担うものと考えていたリーダーシップは、実は誰もが担えるものだ、という気づきがあったと感想を述べていました。こうした参加者の成長を見ていると、企業の社会貢献は一方的な支援・寄付という形だけでなく、お互いに対話を通じて価値を創造する、win-winの関係が築けると気付かされます。
世界の幸福度ランキングで日本は51位。G7で最下位に
国連の持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が3月に発表した「世界幸福度報告書」では、日本は51位とランクダウンしG7の中では引き続き最下位という結果でした。特に30歳未満では73位という低さです。少子高齢化で企業では人手不足が深刻な中、これから社会に出る世代が生きがい、やりがいを感じられない。幸福を感じられない。私たちがこの現状にどのように向き合っていくのかを、この支援で得た学びからも継続的に考えていく必要があります。
認定NPO法人テラ・ルネッサンス
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つばさホールディングス
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