
つばさホールディングス株式会社(以下、つばさホールディングス)は、地域密着の歴史ある企業の事業承継を続けてきました。基幹産業となる物流は、私たちの生活の「当たり前」を支えています。スーパーにいつも商品があること、ネットで買った商品が指定日時に届くこと。お客様へ商品を届ける物流業界には、まだまだAIでなく人の手が必要です。
ワンストップサービスを目指して
2021年10月に全株式を譲り受けたFUロジテック株式会社(以下、FUロジテック。旧フォスター運輸株式会社)は、多摩地域で創業52年。運輸部と大型車両まで対応できる整備機能を持っています。数年かかった交渉にはM&A仲介会社の株式会社ストライクによる交渉支援もいただきました。

それまでグループ会社全体で所有する大型トラックの整備は外部企業に委託するケースもあり、今回のグループインにより全車両の整備を内製化することができました。運輸面でもシナジーを生み出し事業拡大につなげています。
自分の頭で考えて見えてくること
整備部部長の東さんは「会社が譲渡された日から今日まで、1日たりとも飽きない」と、これまでの日々を話します。

前代表から株式譲渡一か月半前に話があった当初、当然ながら社内には不安が広がりました。譲渡前、特に運輸部門はグループ会社内の委託業務だったので競合を意識することもありませんでしたが、つばさホールディングスの傘下になった後は競合他社のある市場が相手なので、営業面での不安もありました。
東さんは譲渡にあたり退職も検討していました。「続けてみるか」と思えたのはFUロジテック代表の吉田さんとの取引先への挨拶まわり、つばさホールディングス代表の猪股さんとの対話を通して自分で会社の未来の姿を思い描くことができたからです。グループ会社と連携した営業で新規法人開拓も始めています。
今まで関わってこなかった業績管理の仕事には苦戦しますが、達成する売上の根拠を理解するのはおもしろいです。教えられたことができた時は評価してくれる、できなかった時は「こうしてみたら」と教えてくれる。現状、整備士とドライバーの離職者はなく6月から新しく2名のドライバーが入社しました。
理念を伝え、思いを共有する時間を惜しまない
FUロジテックに4年ぶりの新車が2台やってきたのは4月と5月。25トン超の大型トラックは社員の士気を高めました。

つばさホールディングスグループ経営管理部ゼネラルマネージャーの秋山さんは、譲渡までの手続きと譲渡後のPMI※を担当しています。「事業拡大を見据えた新車購入でしたが、譲渡後1年以内に行いたかった」と話します。

つばさホールディングスは一気通貫のサービス提供を強みにした、地域に求められる企業として歩を進めています。FUロジテックのグループインで二輪から大型車の整備拠点が整い、新規顧客獲得にもつながっています。
譲渡後はできるだけ現場に出社して、社員の皆さんと会話をするように心がけました。熟練した現場の方からしたら、いきなり来た新参者に指図されても嫌ですよね。PMIの中でも意識統合に力を入れた9か月間でした。
東さんには社内の業績管理を担ってもらっています。現場が好きな方が慣れない管理業務をするのは大変ですが、この経験で組織は強くなりますし、親会社と子会社の信頼関係を築きやすい。運輸部門の管理責任者と共に、日々たくさんのことを吸収し、学んでもらっています。
※PMI(Post Merger Integration)…M&A成立後に行われる統合作業。「経営統合・業務統合・意識統合」の3つの柱を並行して統合による最大化を図るプロセス
尊敬から始まる信頼関係

東さんは、日頃から整備士とのコミュニケーションを欠かしません。
「皆さん、整備士免許も経験値もある先輩達。私も有資格者ですが、お客様に分かりやすく説明をするために先輩方やお客様からも学ぶ日々です」と言う東さんの、お客様への対応は本当に丁寧です。
小学一年生の娘さんには「パパの仕事は車のお医者さん」と言っているのだとか。
小さいころから車が好きだった東さんはドライバー職を経て整備士の道へ。奥様の生家で柿農家をした経歴も。多様な趣味があり人生の選択肢は一つと決めているわけではありません。
現在は、FUロジテックで困り事のご相談を頂き、迅速・丁寧に解決できる幅広いサービス体制を作りたいと思っています。
FUロジテック株式会社
https://www.fulogitec.jp/