「2024年問題」の背景や仕組み、そして業界の今について解説した前編はお読みいただけたでしょうか前半記事はこちらから→https://flapweb.tsubasa-holdings.co.jp/rashinban10/
情報や仕組みの解説だけでは見えてこない、もっとも大切なもの。それは「働く人の想い」です。
後編となる今回は、この大きな変革を最前線で受け止める現場の担当者へのインタビューを実施しました。
法改正後の日常、そして彼らが抱く未来への想いを通じて、2024年問題の真の姿に迫ります。
ドライバーさん目線で語る現場
ーー2024年問題により、労働時間を短くする動きがあります。
今の労働環境で、変わったら良いと思う部分はどこですか?
待機時間が長いので、その時間が短くなれば、全体の残業時間も減らせると思います。
青果やドライ食品の運送時は、現地のバース(荷下ろし場)が空き次第、積み下ろしをします。そのため、前のトラックの作業が長引くと、待機時間が延びてしまう点が課題だと感じています。

ーー現在、週に一回ほど事務作業を行っていますが、管理職を目指したきっかけは?
入社時は、ドライバーのみを希望していました。しかし働いていくうちに、もっと経験を積みたいと考えるようになり、管理職を目指すことにしました。現在は、管理職の方のサポート役として、週に一回事務所で働いています。
ーー最後に、これから入社を考えている方にメッセージをお願いします。
私自身、未経験の状態からリファラル制度(知人紹介)を使って入社しました。
会社の皆さんは優しいですし、仕事にも徐々に慣れていけました。
なにより、未経験の方でも現場で活躍できるための「免許支援制度」などのバックアップ体制があるので、スタートしやすい環境が整っているのがつばさロジスティクスです。
管理者が語る、2024年問題と物流の今後
ーー現在の業務について教えてください。
私は現在、運送部門を取りまとめるTLD事業部に所属しており、主に2つの役割を担っています。
1つ目はグループの結束強化です。
多くのグループ会社がバラバラに動くのではなく、つばさグループの理念をもとに同じ方向を向けるよう調整する役割です。
2つ目はスケールメリットの最大化です。
グループ会社の強みを共有しあうことで、良い意味での相互依存関係を築いていきたいと考えています。

ーー前職のご経験も含め、これまでどのように2024年問題に向き合ってこられましたか?
この問題に直面した当初の正直な印象は、「無理だろうな」でした(笑)。大企業なら次々に解決策を打てますが、中小企業はどう対応すべきかと悩みましたね。
具体的に行ったことは、「時間外労働の削減」と「荷主様との交渉」です。
時間外労働の削減は、ドライバーの収入減に直結するため、現場からはかなり不満の声が出ました。そこで1年という時間をかけ、ドライバー一人ひとりに現状と会社の考えを説明し続けることで、理解を得ていきました。
荷主様との交渉では、業務改善を提案しました。それまで手作業だったものを「パレット化(※)」することで、時間短縮や身体的負担の軽減を目指しました。 「業務時間が短縮されても給料は変わらない」ことを保証することで、ドライバーからの信頼も得られると考えています。
※パレット化
荷物を載せるパレットという台座の規格を統一するという取り組み。作業効率の向上や、他社とのパレット共有・再利用がしやすくなることで、業務時間の改善を図ることができる。
ーー従業員の方とのコミュニケーションで心がけているポイントはありますか?
重要なのは「対話」よりも、まずは「傾聴」することです。 ドライバーが抱える不満や要求をすべて吐き出してもらう。そのうえで内容を整理し、落ち着いて話し合うことを心がけています。
単に「辞めさせない」ための引き止めではなく、「長く、楽しく」働いて貰いたいんです。
もし物流業界とは違う「叶えたい夢」があるなら、それを実現するためのステップとしてウチを活用してくれてもいいと思っています。 社員の「夢を叶える体制作り」をグループ全体で進めていくことが、結果として人が定着する組織につながると信じています。

ーーこれからの物流業界の方向性や未来について、どのような考えを持っていますか?
まず社会全体で「物流費はコスト(削減対象)ではなく、事業継続のための『必要経費』である」という認識に変えていく必要があります。 「送料無料」という言葉の裏で、誰かが負担を強いられるのではなく、適正な対価が必要です。
そしてDX化(※)も進めていかなければなりません。
大企業と同じように中小企業が単独でDX化を進めるにはシステム開発やコストの面で課題があります。
これからは「効率重視」から「共創」へシフトしなければなりません。 荷主様やメーカー様も巻き込み、共に課題を共有し、例えば「どうすれば待機時間をなくせるか」といった現場レベルの協議を重ねていく。
そうして他企業と協力しながら、3PLや4PLといった付加価値の高い事業を展開し、差別化していくことが重要だと考えています。
※DX化
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは ITツールの導入に留まらず、デジタル技術を浸透させることで、ビジネスモデルや組織の在り方を根本から変革すること。単なる「業務効率化」ではなく、「より良い価値やサービスを生み出すこと」を目的としています。
まとめ
物流業界の労働環境を本質的に改善するためには、現場の従業員だけでなく、管理者、そして荷主など、サプライチェーンに関わるすべての人々の理解と協力が不可欠です。
長年の「当たり前」を変える道のりは決して平坦ではありません。
しかし、弊社はこれからも、現場で働く人の「想い」を大切にしながら、物流業界を支えていきます。
この変革期を、業界全体がより持続可能で魅力的なものへと進化させるチャンスと捉え、今後も真摯に課題に向き合い精進してまいります。
